サルフェートの効能とは？サルフェートが含まれるミネラルウォーター3選もあわせて紹介します

天然水に含まれる成分として最近注目されているのがサルフェートです。あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、サルフェートは温泉にも含まれる成分で、飲用によるさまざまな健康効果が認められています。

本記事では、サルフェートについての基本情報から、サルフェートの健康に与えるメリットやデメリット、私たちの身近で使われているサルフェートの例を分かりやすく解説します。

サルフェートが含まれるミネラルウォーターも紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

サルフェートとは

サルフェートは天然水や温泉に含まれることがある、硫酸イオンを持つミネラルです。私たちの体内にも存在する成分で、健康維持のために重要な役割を果たしています。

サルフェートとはミネラル成分の一種

サルフェートは化学的には硫酸塩と呼ばれる物質で、硫酸イオン（SO₄²⁻）を持つ無機化合物の総称です。

サルフェートには、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉄などがあります。自然界では地層に存在するミネラルのため、天然水や温泉に含まれることがあり、微量ながら野菜に含まれることもあります。

工業的にもサルフェートは多く利用されており、食品添加物、シャンプー、洗剤、ガラス製品などがその例です。サルフェートは人間の体内にも存在し、生命活動に必要なミネラルの一つです。

ミネラルのはたらきについて

人間にとってミネラルは、身体の構成要素であるとともに、神経伝達や新陳代謝の促進などに欠かせない物質です。ミネラルの体内での働きは、大きく分けると下記の3つです。

1.体の構成成分
骨を構成するカルシウムやマグネシウム、ヘモグロビンと共に体中に酸素を運ぶ鉄などがあります。
2.神経情報伝達や筋肉収縮
神経情報伝達や筋肉の収縮にはナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどが関わっています。また銅は神経伝達物質の産生にも関与しています。
3. 体の恒常性維持
体温や血糖値、免疫機能などを一定に保つために、ミネラルは重要な働きをしています。ミネラルは体内では生成されないため、食べものや飲みものから取り入れる必要があります。

また、互いに影響し合うことが多いため、バランスよく摂ることが大切です。

サルフェートは温泉に含まれる成分

温泉は成分の種類により、単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉などに分類されます。サルフェートを主な成分とする温泉は硫酸塩泉と呼ばれ、青森県の浅虫温泉や群馬県の湯宿温泉、長崎県の雲仙温泉などが有名です。

硫酸塩泉は、浴用ではきりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症などが適応症とされています。

サルフェートの効能

サルフェートを含む硫酸塩泉は、飲用では慢性胆嚢炎、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風に効用があるとされています。サルフェートを飲用した場合の効果について解説します。

便秘

サルフェートの一種である硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウムは、便秘薬にも配合されている成分です。腸内の水分分泌を促し、便を柔らかくする作用があります。

高コレステロール血症

硫酸塩泉の飲用適応症のひとつとして高コレステロール血症もあります。

胆道系機能障害

サルフェートを含む温泉は、飲用すると胆汁の分泌が促進されるため、胆道系の機能障害の改善に効用があるとされています。

飲用の注意点

硫酸塩泉の飲用はさまざまな効果がありますが、注意点もあります。

禁忌症として下痢があげられています。便秘時に効果がある成分のため、下痢気味のときの服用は避けましょう。

また、硫酸塩泉の内のナトリウム硫酸塩泉は、血液の水分を増やす作用があるため、腎臓病、高血圧症、その他一般にむくみのある症状には飲用禁忌です。

サルフェートが使われている身近なもの

サルフェートは洗剤やシャンプー、食品など私たちの身近な製品にも利用されています。

洗剤などの洗浄力

工業的に合成されたサルフェートの一種であるアルキル硫酸エステル塩（AS）は、水によく溶けるとともに優れた界面活性作用があるため、衣服の洗剤や台所用洗剤に広く使われています。

シャンプーやボディソープの洗浄力

シャンプーやボディソープにも、ラウレス硫酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムというサルフェートの成分が含まれている場合があります。皮脂汚れを落とす界面活性剤として利用されています。

豆腐の凝固剤や飲用水

サルフェートの一つである硫酸カルシウムや硫酸マグネシウムは豆腐を固めるための凝固剤として利用されています。

澄まし粉とも呼ばれる硫酸カルシウムを使うと、豆腐がゆっくり固まるため、滑らかな豆腐に仕上がります。また、最近は飲用の天然水にも含まれる成分として注目されています。

サルフェートのデメリット

サルフェートのデメリットは、飲み過ぎによって下痢を起こす可能性があることです。また、サルフェートを多く含む水を常用すると、ほかのミネラルも過剰摂取になる場合があります。

下痢をする可能性がある

便秘薬にも使われる硫酸マグネシウムや硫酸カルシウムを大量に含む水を飲むと、体質や体調によっては下痢を起こす可能性があります。

硬水のミネラルウォーターにはサルフェートを大量に含むものがあるため、注意が必要です。

また、サルフェートに限らず、ミネラルを大量に含む硬水を常用すると、通常は体外に排出されるミネラルが体内に蓄積し、過剰摂取になることがあります。どれくらいのミネラルが含まれているか確認し、摂取量に注意しましょう。

サルフェートを含有しているおすすめのナチュラルミネラルウォーター3選

市販の天然水でサルフェートを含む製品の中から、コントレックス、シリカシリカ、のむシリカの3つについて紹介します。

	サルフェート含有量/L	硬度
コントレックス	1,121mg	約1,468mg/Lmg-超硬水
シリカシリカ	2.1mg	中硬水（数値なし）
のむシリカ	30mg	130mg-中硬水

硬度が100mg/L以下の水を軟水、100～300mg/Lの水を中硬水、301mg/L以上の水を硬水と分類されています。また、1,000mg/L以上の水は超硬水と呼ばれることもあります。

コントレックス

フランス産の超硬水として知られるコントレックスは、サルフェートの含有量も多く、1L中に1,121mg含んでいます。コントレックスの含有成分は下表のとおりです。

成分名	含有量/L
カルシウム	468mg
マグネシウム	74.5mg
カリウム	2.8mg
サルフェート	1,121mg
炭酸水素イオン	372mg
塩化物イオン	9.4mg

ダイエット中に不足しがちなミネラルを補給できることから、ダイエット中の方にも人気です。

しかし、硬水特有の風味が強く、軟水を飲み慣れている日本人には飲みにくい場合があります。また、サルフェートを多量に含むため、体質によってはおなかが緩くなる場合もあります。

シリカシリカ

シリカシリカは飲みやすい中硬水で、サルフェートを2.1mg/L含んでいます。シリカシリカの含有成分は下記のとおりです。

成分名	含有量/L
カルシウム	7.6mg
マグネシウム	2.1mg
カリウム	3.1mg
バナジウム	0.001mg
シリカ	72mg
サルフェート	2.1mg
炭酸水素イオン	50mg

サルフェートの他に、天然水の成分として最近注目されているシリカを72mg、炭酸水素イオンを50mg含んでいます。シリカは血管や骨などの形成に必要ですが、体内では生成されない成分です。

日本人に不足しがちなミネラルのカルシウムとマグネシウムの含有量が少ない点がシリカシリカのデメリットです。

のむシリカ

のむシリカは飲みやすい中硬水ですが、サルフェートを30mgと多すぎず少なすぎない量を含んでいます。

成分名	含有量/L
カルシウム	31mg
マグネシウム	14mg
バナジウム	34mg
シリカ	97mg
サルフェート	30mg
炭酸水素イオン	170mg

ミネラルウォーターの主要成分として注目されるカルシウムとマグネシウムの含有量も、中硬水としては豊富です。健康によいと話題の成分であるシリカと炭酸水素イオンも、一般的な中硬水よりも豊富に含んでいます。

サルフェートの摂取には「のむシリカ」がおすすめ

普段の飲用水からサルフェートを摂取したい方には、のむシリカがおすすめです。のむシリカは日本製の飲みやすい中硬水であるうえに、サルフェートを30mgと豊富に含んでいます。

サルフェートとシリカを効率的に摂取できる

厚生労働省は健康のために、食事で摂る水分以外に毎日1.2Lの水を飲むことを推奨しています。※1 のむシリカを毎日の飲用水とすることで、サルフェートとシリカを効率的に摂取できます。

シリカは体の形成に欠かせないミネラルで、体内では生成されない成分です。私たちが一日に消費するシリカは10～40mgとされていますが、のむシリカ1本（500mL）には48.5mgのシリカが含まれています。

なお、厚生労働省が食事以外で摂る水の目安としている1日1.2Lという数値は、比較的安静にしているときの目安です。運動をする日や暑い日など汗をかく際にはさらに意識して水分補給をしましょう。

カルシウムとマグネシウムをバランスよく配合

欧米人に比べると乳製品をあまり多く食べない日本人にとって、ミネラルの中でとくに不足しやすいのがカルシウムとマグネシウムです。のむシリカには、カルシウム31.0mg/Lとマグネシウム14.0mg/Lが含まれています。

健康を保つためには、カルシウムとマグネシウムのどちらも十分に摂ることが大切です。のむシリカはカルシウムとマグネシウムがバランスよく含まれています。

飲みやすい中硬水

のむシリカは硬度130mg/Lの中硬水で、軟水を飲み慣れた日本人にも飲みやすいナチュラルミネラルウォーターです。

ヨーロッパのミネラルウォーターは硬度の高い硬水が多く、軟水を飲み慣れている日本人にとっては苦みなどを感じて飲みづらい場合があります。

のむシリカならミネラルがバランスよく含有されていながらも口当たりがまろやかで、おいしく飲めると評判です。

まとめ

サルフェートは天然水や温泉に含まれる成分で、私たちの体内でも重要な働きをしています。サルフェートを含む温泉は硫酸塩泉と呼ばれ、飲用すると慢性胆嚢炎、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風に効果があるとされています。

ただし、飲用の禁忌症として、下痢とむくみが挙げられます。また、肝機能に障害がある方は大量のサルフェートを摂取すると摂取過剰になる可能性があるため注意が必要です。

のむシリカは飲みやすい中軟水で、かつカルシウム、マグネシウム、シリカ、炭酸水素イオンなどのミネラルも豊富に含んでいます。

サルフェートを含む市販のナチュラルミネラルウォーターでは、のむシリカが程よい配合量の製品としておすすめのため、気になる方はぜひ試してみてください。

＜参考サイト＞

※1　厚生労働省｜「健康のため水を飲もう」推進運動の公式サイト

※商品の情報は各公式サイトを参考にしています