水道水で麦茶を作るポイントは？「煮出し」と「水出し」塩素はどちらでも除去できる？詳しく解説します

麦茶を作るときは水道水を使うケースが多く、安全性が気になる方もいるかもしれません。

また、水道水でおいしい麦茶を作る方法を知りたい方も多いでしょう。

本記事では、水道水を使用し安全でおいしい麦茶を作る方法を紹介します。

煮出しと水出しの方法やそれぞれのメリット・デメリット、さらに麦茶の健康効果や栄養成分についても解説します。

水道水で安全な麦茶を作るポイントは「煮沸」と「冷却」

煮出して麦茶を作る場合は、10分ほど煮沸したお湯で作ると※1、残留塩素やトリハロメタンが除去された、カルキ臭のない麦茶になります。

水出しで麦茶を作る場合は、冷蔵庫で冷やせばカルキ臭が気にならなくなるでしょう。

次に水道水で麦茶を作る方法を、詳しく説明します。

残留塩素を取り除く

水道水の残留塩素は煮沸すると除去できます。

塩素は水道水の浄化に欠かせない消毒剤で、水道法で蛇口から出る水道水には、残留塩素が0.1mg/L以上保持されなければならないと定められています※2。

一方で、残留塩素が多いとカルキ臭がして飲みづらくなるため、残留塩素の上限目標値は1mg/L以下とされているでしょう※3。

全国の自治体の中には、水道水のおいしさをより確保するために、国の管理目標より厳しい目標値を定めているところもあり、たとえば東京都の残留塩素の管理目標値は0.1 mg/L以上0.4 mg/L以下です※4。

残留塩素は、煮沸することで除去できますが、水道水を放置しておくと次第に抜けていくため、冷蔵庫で冷やすとカルキ臭が感じにくくなります。

トリハロメタンを取り除く

水道水に含まれるトリハロメタンは、10分以上煮沸すれば取り除けるでしょう※1。

トリハロメタンは消毒剤の塩素と有機物が反応して生じる化合物で、消毒副生成物と呼ばれています。

発がん性が指摘されているトリハロメタンは、飲料水に含まれる量が厳しく規制されています。

たとえば、トリハロメタンの一つであるクロロホルムは、WHOは基準値を0.3mg/L以下としていますが※5、日本の基準はそれより厳しい0.06mg/L以下が基準です※3。

それでもトリハロメタンが気になる場合は、煮沸でさらに取り除けます。

東京都水道局は、5分ほど煮沸するとトリハロメタンの大部分を除去できるとしています※6。

さらに入念にトリハロメタンを取り除きたい方は、10分以上煮沸すれば安心です※1。

日本の水道水の安全性

日本は水道の水をそのまま飲める、世界でも数少ない国の一つです。

日本の水道水は、取水時点での水質がよいうえに、51項目におよぶ厳しい水質基準により浄水し管理されているからです※3。

水質基準は最新の科学的知見に照らして、随時見直しされています。

麦茶の健康効果

麦茶は大麦やはだか麦を高温で焙煎して作られます。家庭で作る麦茶は、保存料や甘味料などはいっさい添加されていない天然飲料です。

麦茶という名前ですが、原料は大麦のみで緑茶などの茶葉は使われないことから、カフェインを含みません。

また、麦茶にはアルキルピラジンやポリフェノールなどの、健康によい成分が含まれている点が特徴です。

ノンカフェイン

コーヒーや紅茶、緑茶、ウーロン茶に含まれるカフェインは、麦茶には一切含まれません。

カフェインの摂り過ぎに注意が必要な妊娠中や授乳中の方、子どもでも安心して飲めます。

抗酸化作用

麦茶は、ポリフェノールの一種であるカテコールとゲンチシン酸を豊富に含んだ飲料です。

カテコールとゲンチシン酸は、高い抗酸化作用が確認されています。

ポリフェノールは抗酸化作用により、細胞の老化を加速する活性酸素を取り除く作用が知られており、麦茶にもその効果が期待できます。

血行促進

麦茶の香ばしい香りの元になる成分は、アルキルピラジンです。

アルキルビラジンは香りをもたらす以外に、血液をサラサラにする効果があるといわれています。

大量に汗をかくなど体が水分不足になると、血液の流動性が低下して細い血管に血栓ができるリスクが高くなります。

麦茶で水分補給しながら、血液を健康な状態に導きましょう。

水道水でおいしい麦茶を作る方法

麦茶の多くはティーバッグに入って売られており、煮出し用と水出し用があります。

どちらも水道水で簡単においしい麦茶が作れます。

煮出し

麦茶を煮出して作るときは、10分以上の煮沸がおすすめです※1。

やかんなどで水道水を5分間煮沸し、次にティーバッグを入れてさらに5分ほど煮出します。

合計10分間煮沸すると塩素やトリハロメタンが除去された、おいしい麦茶になります※1。

火を止めて5分ほど後にティーバッグを取り出し、常温近くまで冷めてから容器に移し替えて冷蔵庫で冷やしましょう。

煮出しで作った麦茶は、香ばしい風味が水出しよりも強い反面、お湯を沸かす、容器に移すなど手間がかかります。

水出し

水出しで麦茶を作るときは、冷蔵庫で一晩置くとおいしい麦茶が完成します。

作り方は、容器に水道水とティーバッグを入れて、冷蔵庫で冷やしておくだけです。

1～2時間たったら容器からティーバッグを取り出し、さらに冷やしておきます。

一晩ほど置くと、カルキ臭が気にならなくなります。

水出しの麦茶は、手間がかからないメリットはありますが、味や香りが煮出しに比べると薄く、残留塩素を完全に取り除けないのがデメリットです。

水道水で作った麦茶の保存期間

水道水は塩素を含み、有機物をほとんど含まないので、常温で3日ほど、冷蔵庫で10日ほど保存が可能です※7。

煮出しで作った麦茶は、煮沸消毒されているとはいえ、塩素が消失し、たんぱく質、炭水化物など大麦の有機成分が含まれていることから、水道水よりも保存できる期間が短くなります。

家庭で作った麦茶はできる限り翌日までに飲み切りましょう。

なお新しい麦茶を作るときは、容器をよく洗ってから使うのを忘れないようにしましょう。

麦茶の栄養成分

麦茶にはたんぱく質や炭水化物が微量に含まれます。

さらにノンカロリー、ノンカフェインで、ダイエット中でもカロリーや成分を気にせずに飲める飲料です。

麦茶に含まれる主な栄養成分には、カリウム、カルシウム、ミネラルとポリフェノールがあります。

それぞれ詳しく解説します。

カリウム

コップ1杯（200ml）の麦茶に、約12mgのカリウムが含まれています※8。

カリウムは体内の余分な塩分を排出して、体の水分バランスを一定に保つ働きがあるミネラルです。

カリウムが不足すると、食欲不振や体のだるさなどの症状が出るほか、こむら返りと呼ばれる筋肉の痙攣や引きつりが起きやすくなります。

カルシウム

コップ1杯（200ml）の麦茶に、約4mgのカルシウムが含まれています※8。

カルシウムは骨や歯を作るのに欠かせない成分で、体内に最も多く含まれるミネラルです。

欧米人に比べて乳製品をあまり食べない日本人に不足しやすいミネラルのため、積極的な摂取が推奨されています。

ポリフェノール

麦茶の健康効果で述べたように、麦茶にはカテコールとゲンチシン酸、二種類のポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールは、活性酸素を除去する抗酸化作用で、細胞の老化や劣化を防ぐ成分です。

ポリフェノールを産生できるのは植物のみで、人間はポリフェノールを含む食品を食べることで体内に取り入れられます。

水分補給に麦茶とミネラルウォーターを併用する、あるいはミネラルウォーターで麦茶を作るのもおすすめです。

麦茶とともにミネラル補給できる「のむシリカ」

麦茶と併用する飲料として、ミネラルが豊富な「のむシリカ」を取り入れてみませんか。

のむシリカはミネラル豊富で飲みやすい中硬水です。のむシリカに含まれるミネラルは次のとおりです。

カルシウム	31mg
マグネシウム	14mg
シリカ	97mg
硬度	130mg

マグネシウムとカルシウムの黄金比

マグネシウムとカルシウムは、どちらも健康的な体を維持するために必要な成分です。

のむシリカには、マグネシウムとカルシウムが理想的な1：2の割合でバランスよく含まれています。

体内で生成されないシリカが豊富

シリカは、骨や皮膚など体のさまざまな部分を構成する成分ですが、体内では生成できません。

のむシリカは1Lに97mgのシリカを含んでおり、人間が1日に消費するシリカ約40mgを、500mlののむシリカ1本で摂取できます。

ミネラル豊富な中硬水

のむシリカは硬度130mg/Lの中硬水で飲みやすく、豊富なミネラルが含まれています。

日本人は軟水を飲み慣れているため、欧米のナチュラルミネラルウォーターに多い硬水は飲みにくく感じたり、人によっては下痢をしたりする場合があります。

のむシリカは、スッキリとした飲み口で飲みやすいといえるでしょう。

まとめ

水道水でもおいしい麦茶は作れます。

煮出しの場合は、ティーバッグを入れる前後で合計10分以上煮沸すると、残留塩素とトリハロメタンを除去できます※1。

水出しの場合は、冷蔵庫で一晩置けば、塩素のカルキ臭が気にならないでしょう。

煮出した麦茶は、香ばしい香りと味が魅力ですが、お湯を沸かしたり、冷ましたりなどの手間がかかります。

健康的な毎日を過ごすためには、バランスよくミネラルを補給する必要があります。

麦茶と併用してミネラルを補給する飲料として、のむシリカを取り入れてみてください。

おいしい麦茶やのむシリカを飲んで、健やかな毎日を過ごしましょう。

〈参考文献〉
※1　三重県　水質管理情報センター｜5．知っておくと便利な水道まめ知識
※2　厚生労働省｜水道法第4条及び第22条等の関係について
※3　厚生労働省｜水道水質基準について
※4　東京都水道局｜水源・水質｜残留塩素の低減化
※5　国立保健医療科学院｜WHO 飲料水水質ガイドライン　第4版（日本語版）
※6　東京都水道局｜よくある質問｜水質＜水道水の安全性・その他＞
※7　警視庁　災害対策課　災害警備情報係｜水道水、意外と保存が可能です
※8　文部科学省｜日本食品標準成分表2020年版（八訂）