湧き水はそのまま飲める？安全に飲むための注意点や全国の湧き水スポットを紹介

「湧き水は飲んでも問題ないのだろうか」「湧き水を安全に飲む方法が知りたい」などのお悩みを抱える方もいるでしょう。

湧き水は水道水のように消毒されていないため、飲んだあとの体への影響も気になるところです。

そこで本記事では、湧き水の特徴と安全に飲むためのポイントを解説します。

全国の有名な湧き水スポットも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

湧き水とは？

実際にはどのようなものが湧き水と呼ばれているか、知らない方も多いのではないでしょうか。

まずは湧き水の定義や分類について確認しましょう。

湧き水の原水

私たちが一般的に飲んでいる水は「地下水」です。

雨や雪解け水が地面に染み込み、地層で自然にろ過された水が地下水と呼ばれます。地下水が自然に地表へ吹き出てきた水は「湧き水」と呼ばれます。

一方を人工的に汲み上げ、殺菌消毒などをおこなった水は飲用水として利用されています。

湧き水の分類

日本ミネラルウォーター協会では、湧き水を含めた「原水」を次のように分類しています。※1

浅井戸水	浅井戸からポンプ等により 取水した地下水
深井戸水	深井戸からポンプ等により 取水した地下水
湧き水	自噴している地下水
鉱泉水	自噴している地下水のうち水温が25℃未満 溶存鉱物質等により規定されるもの
温泉水	自噴している地下水のうち水温が25℃以上 または温泉法第2条の溶存鉱物質等により 規定される飲用適の地下水
伏流水	河川のうち地中に潜り込んで流れる地下水
鉱水	ポンプ等により取水した地下水のうち 溶存鉱物質等により規定されるもの

自噴する地下水は「湧き水」ですが、ミネラル量や水温により、鉱泉水や温泉水に分類されるものもあります。

湧き水は飲める？安全に飲むためには？

ここからは、湧き水を安全に飲むための方法を解説します。

未殺菌のリスク

湧き水は自然のままのおいしさを楽しめる水ですが、名水と呼ばれる有名な湧き水でも安全性の保証はできません。

水道水のような塩素消毒や、加熱殺菌もされていないためです。

細菌感染のリスクがあるため、飲むことにより健康を害するかもしれません。

水質検査の内容を確認

名水と呼ばれる有名な湧き水のスポットは観光名所としても知られており、地域住民の生活用水として活用されているものもあります。

そのため、水の安全性を確認したり、観光地としての知名度を高めたりする目的で、環境省や各自治体が湧き水の水質検査をおこなうケースがあります。

名水を飲む前には水質検査の内容を確認するとよいでしょう。

採水後の煮沸でより安全に

水質検査で飲用に適した水と認められていても、環境や衛生状態の変化により健康を害する可能性は否定できません。

より安全に湧き水を飲みたい場合、汲み取った水を煮沸する方法をおすすめします。

加熱は最も手軽で優れた殺菌方法のひとつであり、塩素のような薬品を加えなくても水の衛生さを保てます。

より安全に湧き水を楽しみたい方は、汲み取り後の加熱処理を心掛けましょう。

日本の有名な湧き水スポット5選

ここからは、実際に湧き水を飲みたい方におすすめしたい、有名な日本の湧き水スポットについて紹介します。

観光地としての魅力を備えた場所や、汲み取りをおこなえる場所は日本各地にあります。

湧き水スポットを訪れる際には、ぜひ参考にしてください。

【長野県】安曇野わさび田湧水群

長野県の「安曇野わさび田湧水群」では、北アルプスからの雪解け水が伏流水となり湧き出しています。

毎日70万トンもの湧出量を誇り、真夏でも水温が15度を超えない冷たく新鮮であることが特徴です。

生産量日本一を誇るわさびの栽培や、ニジマスの養殖、米や蕎麦の栽培などに利用されています。

安曇野市は国土交通省の「水の郷百選」にも認定され、環境省の名水百選ポータル「観光地として素晴らしい名水部門」では第1位に輝きました。

【岡山県】塩釜の冷泉

岡山県にある「塩釜の冷泉」は、蒜山三座の一つである中蒜山の山麓から湧き出しています。

一年を通して水温が10～11度と非常に冷たい湧き水は、湧出量や水質が安定しているため約600世帯の生活用水としても利用されています。

蒜山高原を周遊できるサイクリングロードからも近く、周辺の観光施設へのアクセスも良好です。

源泉での採水はできませんが、近くのロッジにある水汲み場で冷たい湧き水を楽しめます。

【長野県】まつもと城下町湧水群

長野県の「まつもと城下町湧水群」は扇状地の地下に蓄えられた、美ヶ原などの山々の伏流水が地表に湧き出したものです。

湧き水は松本城の城下町の水源として、昔から住民や旅人に飲まれてきました。現在も多くの方が訪れ、自然のままの水の味わいを楽しんでいます。

松本市の公式サイトで飲用適であることも確認でき、より安全性が高く飲みやすい水といえます。

【北海道】羊蹄のふきだし湧水

北海道にある「羊蹄のふきだし湧水」は、羊蹄山山麓の湧き水のひとつです。雨や雪が数十年の歳月をかけ、地下に浸透し湧き出しています。

湧き水スポットは環境緑地保護地区に指定されている「ふきだし公園」内にあり、自然を残したままの良好な景観を楽しめるでしょう。

夏も冬も絶えることなく湧き出る自然の恵みに感謝するお祭り「名水の里きょうごく しゃっこいまつり」は毎年7月中旬に開催されています。

北海道の雄大な自然とお祭りを、おいしい湧き水とあわせて楽しみたい方におすすめです。

【熊本県】水前寺江津湖湧水群

熊本県の「水前寺江津湖湧水群」は、1日に約40万トンの噴き出し量を誇る熊本市の水のシンボルです。

熊本市は74万人いる市民の水道水源すべてを地下水で賄う地下水都市でもあり、水前寺江津湖湧水群は市民の憩いの場としても親しまれています。

湧水群一帯は自然豊かな親水公園でもあり、中心市街地からすぐの距離で多数の希少な動植物を身近に観察できます。

夏目漱石や中村汀女らの文学碑なども湖畔の遊歩道沿いに点在しているため、観光名所としても大いに楽しめるでしょう。

安全に飲めるおすすめ天然水5選

自然の水をより安全に飲みたい方には、成分を加工せず提供される天然水もおすすめです。

日本人の味覚に馴染みやすい国産の天然水から5種類のおすすめ商品を紹介します。

い・ろ・は・す天然水

「い・ろ・は・す天然水」は、日本にある8か所の採水地を原水としたナチュラルミネラルウォーターです。

採水地により硬度やミネラル含有量はやや異なりますが、いずれも軟水に分類されます。

採水地	硬度
清田（北海道）	31.8mg/L
奥羽山脈（岩手県）	27mg/L
砺波（富山県）	27.7mg/L
白州（山梨県）	27mg/L
富士山麓（静岡県）	41mg/L
大山（鳥取県）	40.3mg/L
えびの（宮崎県）	33mg/L
阿蘇（熊本県）	71.1mg/L

カルシウムやマグネシウム、カリウムの含有量も少なめであり、苦みのないスッキリとした味わいです。

	い・ろ・は・す（清田）
カルシウム	0.68mg
マグネシウム	0.36mg
カリウム	0.16mg

「い・ろ・は・す天然水」は、まろやかな飲み口の天然水として楽しめるでしょう。

日田天領水

日田天領水は、阿蘇山や久住など九州を代表する山々に囲まれた日田盆地の地層を通り出てきた水を、限られた場所で採水したものです。

天然の活性水素や、美のミネラル「シリカ」を含む希少な天然水です。

	日田天領水
カルシウム	0.9mg
マグネシウム	0.2mg
カリウム	0.9mg
シリカ	9mg

硬度は32mg/Lと低めであるため、スッキリとした味わいのシリカ水を探している方におすすめです。

アサヒ おいしい水 天然水 六甲

アサヒの「おいしい水 天然水 六甲」は、長い時間をかけて地下深層に染み込んだ天然水をボトリングした深井戸水です。

硬度約40mg/Lの軟水であり、ミネラル含有量が控えめであるため、まろやかでクセのない味わいを楽しめるでしょう。

	アサヒおいしい水　六甲
カルシウム	0.2～1.7mg
マグネシウム	0.1～1.1mg
カリウム	0.02～0.18mg

飲み慣れた軟水をよりおいしく楽しみたい方は、「おいしい水 天然水 六甲」を試してみてください。

サントリー天然水

「サントリー天然水」は、南アルプスや北アルプス、奥大山や阿蘇から採水した天然水です。

厳選した水源の雄大な山々に育まれた水をおいしく楽しめます。

採水地	硬度
南アルプス	約30mg/L
北アルプス	約10mg/L
奥大山	約20mg/L
阿蘇	約80mg/L

いずれも硬度は100mg/L以下の軟水であり、ミネラル含有量も控えめです。

	サントリー天然水
カルシウム	0.1～2.4mg
マグネシウム	0.02～1.1mg
カリウム	0.04～0.7mg

乳児から高齢者までどのような方でも飲みやすい水であり、離乳食の調整や災害時の水としても活用しやすいでしょう。

霧島天然水 のむシリカ

「霧島天然水 のむシリカ」は鹿児島県の霧島連山から採水されたナチュラルミネラルウォーターです。

硬度は130mg/Lの中硬水であり、カルシウムやマグネシウム含有量の多さが目立ちます。

	のむシリカ
カルシウム	3.1mg
マグネシウム	1.4mg
カリウム	0.57mg
シリカ	9.7mg

また、「霧島天然水 のむシリカ」はシリカを豊富に含むシリカ水でもあります。

シリカは体内で生成できないミネラル成分でもあるため、美容や健康の調子を整えたい方はぜひチェックしてみてください。

ミネラル豊富な『のむシリカ』でスッキリ水分補給

のむシリカは国産のナチュラルミネラルウォーターでありながらミネラル含有量が多く、飲みやすい特徴があります。

硬度やミネラルにもこだわりたい方におすすめです。

ここからは、のむシリカの特徴について詳しく解説します。

飲みやすさとミネラル含有量を両立できる中硬水

のむシリカの硬度は130mg/Lであり、硬水と軟水の間の性質を持つ中硬水に分類されます。

中硬水は硬水のような苦みや味のクセを感じにくく、常温でもまろやかな味わいを楽しめます。

軟水よりもミネラル含有量が多いため、湧き水や水道水よりも効率的なミネラル摂取ができるでしょう。

健康維持のために、毎日の水分補給を習慣化したい方におすすめです。

美のミネラル「シリカ」をおいしく摂取

シリカはコラーゲンやエラスチンをサポートする成分で、美のミネラルともいわれています。のむシリカを活用すれば、シリカを効率的に摂取することが可能です。

次の表で、のむシリカのミネラル含有量を比較してみましょう。

【ナチュラルミネラルウォーター100mLあたりのミネラル含有量】

	日田天領水	い・ろ・は・す（清田）	のむシリカ
カルシウム	0.9mg	0.68mg	3.1mg
マグネシウム	0.2mg	0.36mg	1.4mg
カリウム	0.9mg	0.16mg	0.57mg
シリカ	9mg	記載なし	9.7mg

のむシリカはカルシウムやマグネシウムの含有量に優れており、シリカも効率よく摂取できる水であることがわかります。

健康と美容サポートのために水を取り入れたい方は、ぜひのむシリカをチェックしてみてください。

まとめ

湧き水は塩素消毒や加熱殺菌がされていないため、安全性が保証されていません。

湧き水を飲む前に、環境省や自治体から水質の情報を確認しておきましょう。また、湧き水を飲む際には、煮沸による加熱殺菌をおこなうと安心です。

より安全で自然のままの水を飲みたい方には、国産の天然水をおすすめします。

とくに、のむシリカはミネラル含有量に優れたナチュラルミネラルウォーターです。

常温でもスッキリとした飲み心地が楽しめるため、毎日の水分補給にぜひ活用してみてください。

＜参考文献＞
※1  一般社団法人 全国清涼飲料連合会 | ミネラルウォーターの品質表示ガイドライン