精製水の作り方を徹底解説！自宅で作れる精製水の種類・使い道と注意点

精製水は水道水から不純物やミネラルを取り除いた水です。

純度の高い水は医療分野や工業分野に加え、家庭では化粧水を手作りする際の溶媒や、肌が敏感な方の洗顔用としても使用できます。

精製水は購入すれば手軽に手に入りますが、必要な分のみ自宅で作りたいと考える方もいるでしょう。

そこで本記事では、自宅で作れる精製水の種類や作り方、使用上の注意点などを解説します。

精製水を作りたい方、簡単な入手法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

自宅で作れる精製水の種類

まずは自宅で作れる精製水の種類を紹介します。

• 蒸留水
• RO水やイオン交換水

各精製水の特徴を参考にしながら、自作する精製水を選んでみましょう。

蒸留水

蒸留水は水道水を沸騰させて、水のみを抽出する方法で作られます。

純度が高い水なので、コンタクトレンズを洗浄する際にも使用できるでしょう。

水を沸かすための調理器具と、蒸気を冷やす氷さえあれば蒸留水を作れるため、低コストで入手可能です。

純度の高い水を少量用意したい場合には、鍋を用いた蒸留水の作成に挑戦してみましょう。

RO水やイオン交換水

RO水とは逆浸透膜（RO）フィルターによって濾過された水を指します。ミネラル成分がほぼ取り除かれるため、赤ちゃんのミルクを作る際にも活用可能です。

一方のイオン交換水は、イオン交換樹脂によって水に含まれるイオンを除去した水です。

イオン以外の不純物は残りますが、料理やコンタクトレンズの洗浄水など、幅広い用途に使用されています。

精製水の作り方

ここからは自宅で精製水を用意する際の手順について解説します。

「精製水の買い出しが面倒」「既製品だと多いので少量だけ作成してみたい」といった方はぜひ参考にしてみてください。

蒸留水の作り方

蒸留水は簡単な調理器具のみで作成できる、最もお手軽な精製水です。

＜用意するもの＞

• 鍋
• ガラスボウル
• 鍋のフタ
• ビニール袋
• 氷

＜作り方＞

1. 鍋とフタ、ガラスボウルはよく洗浄しておく
2. 鍋に水道水を半分程度入れる
3. 鍋の中に、鍋に完全に収まる大きさのガラスボウルを浮かせる
4. 鍋のフタを裏返して乗せる
5. ビニール袋に氷を入れ、鍋のフタの上に乗せる
6. 鍋を熱して沸騰させ、蒸気をガラスボウルに集める

鍋やフタ、ガラスボウルはあらかじめ洗浄しておきましょう。沸騰した水をかける「煮沸消毒」をおこなうことで、より衛生面を保てます。

ガラスボウルは大きすぎると鍋のフタとぶつかるため、蒸留水を回収できません。また、小さすぎると鍋の中でぐらつきが生じ、蒸留水がこぼれる原因になります。

適切なサイズのガラスボウルと鍋を用意して、蒸留水を効率よく回収しましょう。

なお、自宅で作成した蒸留水は衛生管理が難しく、微生物や細菌が繁殖するリスクも高いため、長期保存は避けるべきです。作成した蒸留水はその都度、消費しましょう。

RO水・イオン交換水の作り方

RO水やイオン交換水は、浄水機能付きのウォーターサーバーを用いて作成できます。

ボタンひとつで生成できるため、こちらから特別な操作をおこなう必要がありません。

レンタルしたウォーターサーバーの使用方法に従い、RO水やイオン交換水を作成しましょう。

ただしRO水やイオン交換水が作れるような高性能のフィルターは劣化が早い傾向にあります。

劣化したフィルターのまま使用すると故障の原因になるほか、水の純度も落ちてしまいます。

フィルターの交換は、各製品が示す交換時期に従い忘れずおこないましょう。

精製水の注意点

精製水は化粧水の調合や、水道水による洗顔で肌が荒れやすい方の洗顔用の水として適しています。

一方で、精製水の使用用途についてはいくつか注意すべき点があります。

飲用には適さないものも

RO水のような純度が高い水は、ミネラル成分も除去されています。

ミネラルは水の味わいの決め手となる要素であり、多すぎても少なすぎてもおいしさを損ないます。

ミネラルを含まない精製水からは旨みを感じにくいため、飲用には適していないでしょう。

カルキ臭のない水をおいしく飲みたい場合には、塩素消毒されておらず、天然のミネラルを摂取できるナチュラルミネラルウォーターの活用がおすすめです。

ミネラル補給ができない

ミネラルは水の味を左右する要素であることに加え、私たちの体に欠かせない栄養素でもあります。※1

カルシウムやマグネシウム、カリウムなどの摂取源として活用できるため、水に含まれるミネラルは健康維持や美容のサポートの面でも重要です。

ミネラルを含まないRO水のような精製水には、ミネラルによる健康効果が期待できないことを覚えておきましょう。

一方、乳児はミネラルの処理能力が未熟と考えられることから、ミルクや離乳食の調整にはRO水を活用できます。

また、薬もミネラルの影響を受ける場合があり、確かな薬効を期待したい場合にはミネラルを含まない水が推奨されています。

ミネラルを含まないことを活かせる用途で、精製水を使用しましょう。

コストパフォーマンスを考える

自宅で作成する蒸留水は沸騰した水を冷やして回収する手間がかかり、また長期保存ができないデメリットがあります。

RO水やイオン交換水を作成できる浄水機能が付いたウォーターサーバーは、高性能ゆえにレンタル価格も高額になりがちです。

少量を低頻度で使用する場合には、ドラッグストアや薬局、ネット通販で精製水を購入する方法もおすすめです。

購入したものは、開封前の状態であれば長期保存ができるほか、ウォーターサーバーのレンタル代やフィルターの交換費用もかかりません。

精製水の使用頻度や使用量を踏まえて、どちらの方法がコストパフォーマンスに優れているか事前に検討しておきましょう。

ミネラル補給には『のむシリカ』もおすすめ

水からのミネラル補給を効率よくおこないたい方には、ナチュラルミネラルウォーターの「のむシリカ」がおすすめです。

のむシリカの特徴について詳しく解説します。

常温でもおいしく飲める中硬水

のむシリカの硬度は130mg/Lであり、軟水と硬水の間の中硬水に分類されます。

軟水よりも硬度が高いため、一般的な国産のナチュラルミネラルウォーターよりもミネラルが豊富です。

【ナチュラルミネラルウォーター100mLあたりのミネラル含有量】

	いろはす（清田）	サントリー天然水	のむシリカ
カルシウム	0.68mg	0.1～2.4mg	3.1mg
マグネシウム	0.36mg	0.02～1.1mg	1.4mg
カリウム	0.16mg	0.04～0.7mg	0.57mg
シリカ	記載なし	記載なし	9.7mg

このように、のむシリカからはカルシウムやマグネシウムを効率よく摂取できることがわかるでしょう。

また、硬水は中硬水以上にミネラルを多く含みますが、多すぎるミネラルにより苦みを生じる場合があります。

中硬水であれば苦みを感じにくく、まろやかな味わいを保ちながらミネラル補給をおこなえます。

常温でも苦みの少ないのむシリカで、おいしく水分とミネラルを補給しましょう。

料理やお茶をよりおいしく

のむシリカは、苦みの少ない水であるため、水分補給以外にも使用できます。

たとえばスープや味噌汁に使用しても、食材や調味料の味を邪魔しません。

さらに炊飯に使用するとお米の甘みを、お茶に使用するとコクを引き立てる効果も確認されています。

料理やお茶にのむシリカを使用すれば、効率よくミネラルを摂取できます。

のむシリカで料理やお茶をよりおいしく、健康的に味わいましょう。

精製水に関するよくある質問

ここからは、精製水に関する質問のなかから、よく寄せられるものについて回答します。

精製水についてより詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてください。

精製水にはどのような使い道があるの？

精製水は医療分野、工業分野、美容分野など、さまざまな場面で使用されています。

使い道		役割
医療分野	薬や薬液の調合	不純物の混入を防ぎ質を保つ
	医療機器の洗浄	不純物による汚染を防ぐ
	臨床検査	検査結果に影響を与えるミネラルを除去
	コンタクトレンズの洗浄	水道水には角膜感染症のリスクがある
工業分野	精密機器や電子部品の洗浄	不純物の混入による故障を防ぐ
	車のバッテリー	不純物の混入による劣化を防ぐ
	水性塗料の希釈	不純物やミネラルによる変色の可能性
美容分野	化粧品の原料や美容施術	不純物による肌へのダメージを防ぐ

水道水に含まれる微小な不純物やミネラルは、繊細な医療機器や電子部品の機能に影響を与える場合があります。

また薬や化粧品、スキンケア製品など、体に取り込むものの原料にも不純物の少ない精製水の使用が適しているでしょう。

また臨床検査のような化学実験では、僅かなミネラルが実験の結果に影響を与える可能性があるため、精製水を用いる必要があります。

このように、不純物やミネラルを含まない水の需要は多く、私たちも数多くの恩恵を精製水から受けていることがわかります。

精製水はどこで買える？

精製水はドラッグストアや薬局、ネット通販で購入できます。

店頭には主に500mL入りのボトルタイプが販売されているため、少量を低頻度で使用する場合におすすめです。

またネット通販では大型のタンクに入ったものも購入できるため、大量に使用したい場合の需要にも対応できるでしょう。

通販を活用すれば大量の精製水を持ち帰る手間も省けるため、大量の精製水が必要な場合にはぜひ活用しましょう。

水道水での洗顔はやめた方がいい？

一般的には水道水の洗顔で肌が大きなダメージを受けることはありません。

しかし肌が敏感な方においては、水道水の塩素や不純物により肌荒れを生じることもあるでしょう。

カルキ臭の強い水道水での洗顔を不快に感じる方、肌のトラブルをなるべく避けたい方は、精製水の使用を検討してみるのもおすすめです。

精製水の代わりになる水はある？

精製水の代わりに、ミネラルウォーターの使用を考える方もいるでしょう。

しかし精製水とミネラルウォーターでは性質が大きく異なります。

	精製水	ミネラルウォーター	水道水
塩素	含まない	含まない	含む
ミネラル	含まない	含む	含む
味	おいしくない	おいしい（飲用的）	普通（飲用的）
精密機器の洗浄	使用できる	使用できない	使用できない
服薬	可能	硬水は避けるべき	可能

ミネラルウォーターはミネラルを含む水であるため、精密機器の洗浄や化学実験への活用には使用できません。

またミネラルが非常に多い硬水は、薬の性質に影響を与える可能性があるため避けるべきでしょう。

ミネラルウォーターはおいしさの向上を目的とした水であるため、精製水の代用にはなりません。

精製水が必要な場面でミネラルウォーターを使用しないよう注意しましょう。

まとめ

精製水は不純物やミネラルを取り除いた純度の高い水であり、自宅でも入手が可能です。

少量であれば蒸留水、毎日使用したい場合には浄水機能付きのウォーターサーバーの活用が適しているでしょう。

精製水は医療分野、工業分野、美容分野など、さまざまな場面で使用されていますが、ミネラルを含まないため飲用には適していません。

おいしく健康的に水分補給をおこないたい場合には「のむシリカ」のようなナチュラルミネラルウォーターの使用もぜひ検討してみてください。

＜参考文献＞
※1 厚生労働省（e-ヘルスネット） | ミネラル