吐いた後の飲み物は何がよい？嘔吐が激しいときの水分補給のポイントも解説

ウイルス感染による胃腸炎や食中毒などは、激しい嘔吐症状を伴うケースがあります。

嘔吐後は体から多くの水分が喪失することから、適切な水分補給が重要です。

本記事では嘔吐後の水分の摂り方や、嘔吐後の飲み物の選び方について詳しく解説します。

吐いた後の水分補給にお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

吐いた後の水分の摂り方は？

吐いた後は体力が低下し脱水傾向にあります。従って適切な水分補給が必要です。

ただし一度に大量の水分補給をおこなうと、さらなる嘔吐につながる可能性があります。とくに次の点がポイントです。

• 嘔吐が激しいときは水分補給を控える
• こまめに少しずつ飲み始めよう
• 嘔吐後に病院を受診する目安

それぞれの項目について詳しく解説します。

嘔吐が激しいときは水分補給を控える

吐いた直後の水分補給は、胃を刺激しさらに嘔吐する恐れがあります。

口の中に残る胃液や吐物をうがいで流して清潔にし、嘔吐がおさまってからも1〜2時間は飲食を控えましょう。

仮に嘔吐が3〜6時間続いても重度の脱水に陥るリスクは低いため、まずは体を休めることが肝心です。

こまめに少しずつ飲み始めよう

嘔吐が止み、1〜2時間が経過して吐き気が落ち着いたら水分補給を開始します。

水分はスプーン1杯程度から始めましょう。体の小さな赤ちゃんでも体格のよい大人でも、ごく少量からの水分補給が基本です。

引き続き飲めそうであれば、10〜15分おきに量を倍に増やして飲みます。

再び吐いたら最低でも30分の休憩を入れましょう。

1時間で合計コップ1杯程度を飲めるようになれば、あとは制限なく飲んでも問題ありません。ただし飲み過ぎには注意が必要です。

嘔吐後に病院を受診する目安

激しく嘔吐した際、1〜2時間は絶飲食で様子を見ますが、次のような症状が見られたら速やかに病院を受診しましょう。

• 尿が半日以上出ない
• 唇や舌が乾燥している
• 緑色の吐物が見られる
• 飲食のない2時間の間に繰り返し嘔吐が起こる
• けいれんなどの意識障害が見られる

緑色の吐物や意識障害、唇の乾燥などは強い脱水症状の現れです。飲み水からの水分補給では足りない恐れがあり、医療機関での点滴管理が必要になるでしょう。

とくに子どもは大人と比べて脱水症状を起こしやすく、上記の症状に気付いたら早めの受診が大切です。

大人でも6時間以上嘔吐が続いたりひどい水下痢が始まったりすると脱水の可能性が高く、これらも受診の目安です。

吐いた後におすすめの飲み物

吐いた後1～2時間経過し、吐き気が治まったら水分補給を始めましょう。吐いた後に飲むとよい3つの飲料を紹介します。

• 経口補水液
• 麦茶
• 常温の水

次項から、それぞれの特徴について詳しく解説します。

経口補水液

経口補水液は水やミネラル、ブドウ糖などを体液とほぼ同じ浸透圧に調整したものです。体への吸収率や吸収速度が非常に高く「飲む点滴」とも呼ばれます。

経口補水液を活用すれば激しい嘔吐のあとも脱水のリスクを防ぎやすく、ミネラル補給も同時におこなえるでしょう。

スポーツドリンクも水分とミネラルを摂取できますが、経口補水液の方が吸収が早く、脱水回避により効果的です。※1

なおスポーツドリンクは経口補水液より塩分濃度が低く、脱水の改善には不十分な場合もあります。脱水の可能性が高いときには経口補水液を活用しましょう。

麦茶

お茶類の多くに含まれるカフェインがもつ利尿作用は、体内の水分排出を促し脱水症状を進行させる恐れがあります。麦茶にはカフェインが含まれていません。

さらに麦茶からは大麦由来のカリウムやマグネシウムといったミネラルも得られ、水分補給とミネラル補給を兼ねた飲料として、脱水のリスクが比較的低い状況で活用するとよいでしょう。

常温の水

胃への刺激を与えにくい常温水も、吐いた後の飲み物としておすすめです。

吐いた後に水を飲む際には、水の温度に注意しましょう。冷たい飲み物は消化管に負担をかけやすく、吐いた後には控えるべきです。

脱水の危険性がある場合は経口補水液と併用し、いずれも冷えたものは避けましょう。

吐いた後に避けるべき飲み物

吐いた後の胃は刺激に敏感です。消化管に負担を与える可能性のある飲み物は避け、胃腸を休めながら水分を補給してください。

吐いた後に避けるべき飲み物は、主に次の4種類です。

• カフェインを含む飲料
• 酸味のある飲み物
• 炭酸飲料
• 牛乳や飲むヨーグルト

それぞれの理由について詳しく解説します。

カフェインを含む飲料

カフェインは胃酸の分泌を促す性質があります。空腹時にコーヒーを飲み胃痛になった経験がある方も多いのではないでしょうか。

カフェインは次のような飲料に含まれています。

• コーヒー
• 紅茶
• 緑茶
• エナジードリンク

紅茶や緑茶にも、コーヒーの3分の1程度のカフェインが含まれています。吐いた後の水分補給をお茶でしたい方には、カフェインを含まない麦茶を飲んでください。

酸味のある飲み物

酸味のある飲み物もコーヒー同様、胃酸の分泌を促します。胃に刺激を与えないためにも吐いた後は避けるべきでしょう。

代表的な飲み物には、柑橘系のオレンジジュースやグレープフルーツジュース、トマトジュースなどがあります。

酸味のある飲み物は、嘔吐の原因である胃腸炎や食中毒の症状が治まるまで控えましょう。

炭酸飲料

吐いた後の口内をサッパリさせようと、口当たりの爽やかな炭酸水や清涼飲料水を飲みたい方もいるのではないでしょうか。しかし胃に刺激を与える炭酸ガスは、吐いた後は避けるべきです。

さらに炭酸ガス（二酸化炭素）は酸性で、炭酸ガスを含んだ炭酸飲料も酸性の飲み物です。

胃液の分泌を促す作用が吐き気の原因になりかねず、避けた方が無難でしょう。

牛乳や飲むヨーグルト

牛乳や飲むヨーグルトのような乳製品にはたんぱく質が含まれます。

たんぱく質は消化酵素ペプシンによって消化されますが、ペプシンの生成には胃酸が必須です。したがって、たんぱく質を含む飲み物を摂ると胃酸の分泌を促し、胃に負担をかけてしまいます。

吐いてからしばらくは胃を休ませた方がよく、牛乳や飲むヨーグルトの摂取は控えましょう。

常温で水分補給するなら『のむシリカ』もおすすめ！

胃腸に負担をかけない水分補給アイテムとして、最も手軽なのは常温の水でしょう。

水道水でも水分補給はできますが、よりおいしい水分補給を求める方はナチュラルミネラルウォーターの活用が最適です。

「のむシリカ」は常温でもおいしく飲めて、ミネラルも補給できるナチュラルミネラルウォーターです。次項からは、のむシリカの特徴について解説します。

常温でもおいしく飲める

水に含まれるカルシウムやマグネシウムの含有量で表された指標を「硬度」と呼び、水のミネラル含有量や味の判断基準に用いられています。

のむシリカは硬度130mg/Lであり、軟水と硬水の間の性質を持つ「中硬水」です。

硬度301mg/L以上の「硬水」は圧倒的なミネラル含有量を誇りますが、マグネシウムの多さから苦みを強く感じやすい傾向があります。

冷やすと苦みが和らぐことが多いものの、冷えた水は消化管に負担がかかりやすく、嘔吐後の水分補給には適しません。

一方、中硬水は苦みを感じにくいミネラル量で常温でもまろやかな味わいを楽しめ、おいしく水分補給をおこないたい方に、のむシリカは適しています。

嘔吐で失われやすいミネラル補給にも

激しい嘔吐は水分とともにミネラルも失います。中硬水であるのむシリカは、硬度の低い「軟水」よりも多くのミネラルを含み、ミネラルの補給にも適しています。

のむシリカとほかのナチュラルミネラルウォーターの成分を比較してみましょう。

【ナチュラルミネラルウォーター100mLあたりのミネラル含有量】

	財宝	シリカシリカ	のむシリカ
カルシウム	0.18mg	0.76mg	3.10mg
マグネシウム	0.02mg	0.21mg	1.40mg
カリウム	0.13mg	0.31mg	0.57mg
シリカ	3.05mg	7.20mg	9.70mg

財宝やシリカシリカのような軟水のナチュラルミネラルウォーターと比較すると、のむシリカはさまざまなミネラルが豊富であることがわかります。

おいしさとミネラル量を両立したのむシリカは、ミネラルチャージのアイテムとしても活躍するでしょう。

吐いた後の飲み物に関するよくある質問

ここでは、吐いた後の飲み物に関するよくある疑問にまとめて回答します。

• 大人と子どもが飲む経口補水液の目安量
• 飲み物を摂取するまでのケア方法
• 吐いた後に控えるべき食べ物

上記の項目について知りたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

大人と子どもが飲む経口補水液の目安量はどのくらいですか？

経口補水液の目安量は大人が1日あたり500〜1,000mLです。

幼児は1日あたり300〜600mLが目安になります。

乳児は体重1kgあたり30〜50mLを目安に与えましょう。

経口補水液は脱水症状の改善に役立ちますが塩分濃度が高いため、飲み過ぎに注意しつつ適量を取り入れ体調の回復を図りましょう。

飲み物を摂取するまでのケア方法はありますか？

吐き気が治まるまでの絶飲食の間は安静が基本です。右を下向きにして横になると、胃液の逆流が起こりにくく吐き気を抑えやすいでしょう。

大人であれば冷たい水でうがいをすると吐物のにおいが除かれて、においによる吐き気の誘発を防止できます。

うがいが上手にできない小児のケアは、清潔な布を濡らして口回りや口内の浅いところを軽くふき取ると効果的です。

吐いた後に控えるべき食べ物は？

胃腸に負担をかける食べ物や濃い味の料理を避け、薄味の食事にしましょう。

消化に負担がかかる食品として食物繊維の多い根菜類やきのこ類、脂肪の多い肉類などが挙げられます。

また、ヨーグルトのような乳製品は吐き気を誘発するケースがあるため避けましょう。

酸味の強いみかんやトマトなどは、胃酸の分泌促進が懸念されます。

香辛料を用いたカレーのような料理も、吐き気が完全に治まり体調が回復するまでは控えましょう。

まとめ

激しい嘔吐のあとは適切な水分補給が重要です。

吐いてすぐは飲食を完全にやめる「絶飲食」にして吐き気が治まるのを待ち、落ち着いたあとの水分補給は経口補水液や麦茶、常温の水などを用いてスプーン1杯のごく少量から始めましょう。

胃に負担をかけたり、胃液の分泌を促したりする飲み物は、再び嘔吐を引き起こす原因になります。

そして嘔吐が止まらない場合や、激しい下痢を伴い脱水のリスクが著しく高い状況では、速やかな医療機関の受診が必要です。

適切な水分補給で、吐いた後の体調管理をおこないましょう。

＜参考文献＞
※1 農林水産省 | 熱中症対策には、水よりスポーツドリンクを飲むとよいと聞いたのですがどうしてですか。また、経口補水液との違いも教えてください。
※商品の情報は公式サイトを参考にしています。