【危険サイン】水分不足の症状チェックリスト│疲れやすいと感じたら要注意!

日々の健康維持に水分補給が欠かせないことは、多くの方が耳にしたことがあるでしょう。

しかし「最近なんとなく体調が優れない」「原因不明の頭痛やだるさが続く」といった不調が、実は水分不足のサインではないかと不安になる方も少なくありません。

見過ごしがちな軽い不調が、深刻な健康リスクにつながる水分不足の症状である可能性は十分にあります。

本記事では、水分不足により引き起こされる症状を初期から重度の段階別に解説します。

また、自身で危険度を判断できるセルフチェックリストや、正しい水分補給の方法も紹介するため、自身の体調を正しく理解し、適切な対策をおこなう参考にしてください。

Index目次

水分不足で現れる主な症状

体内の水分が不足すると、体はさまざまなサインを発します。

はじめは軽い不調でも、放置すると日常生活に支障をきたしたり、深刻な状態につながったりする可能性があるでしょう。

ここでは、水分不足により現れる症状を、次の3つの段階に分けて解説します。

  • 初期症状
  • 進行したときの症状
  • 危険な重度の症状

自身の体調と照らし合わせながら、水分不足のサインを見逃さないようにしましょう。

【初期症状】 かくれ脱水に注意

水分不足の初期段階でも、体は比較的わかりやすいサインを送ります。

初期症状はかくれ脱水とも呼ばれ、早めに気づいて対処することが大切です。

代表的なサインは、のどの渇きです。

また、トイレの回数が減ったり、尿の色がいつもより濃い黄色になったりするのも、体が水分を溜め込んでいる証拠といえます。

そのほか、肌が乾燥してカサついたり、便秘がちになったりするのも、見過ごされがちな水分不足のサインの一つです。

初期症状に気づいたら、早めに水分を補給しましょう。

【中度症状】頭痛やめまい

初期症状に気づかなかったり、対処しなかったりすると、水分不足はさらに進行し、より深刻な不調が現れます。

具体的には、原因が思い当たらない頭痛や、立ち上がったときのめまい、立ちくらみなどがあげられます。

中度症状は、体内の水分が減少し、血流が悪くなることで起こりやすくなる症状です。

また、仕事や勉強に集中できない、日中に強い眠気を感じるといった、脳のパフォーマンス低下もサインの一つです。

運動後でもないのに足がつるといった、筋肉のけいれんが起こりやすい場合も、水分とミネラルが不足している可能性があります。

【重度症状】吐き気や嘔吐

水分不足がさらに進み重度の脱水症状に陥ると、命の危険につながる可能性があり、緊急の対応が必要です。

具体的には、次の症状が現れた場合は非常に危険なサインです。

  • 吐き気や嘔吐がある
  • 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍い
  • ぐったりして起き上がれない

重度の症状が見られる場合は、自身や周りの判断で様子を見るのは避けるべきです。

セルフケアで対応できる範囲を超えているため、速やかに医療機関を受診してください。

とくに夏場は、重度の脱水が深刻な熱中症につながることもあり、注意が必要です。

疲れやすいのは水分不足が原因?

原因不明の疲れやすさは、血液の流れが悪くなり、全身の細胞へ酸素や栄養素が届きにくくなる水分不足が原因である可能性があります。

また、疲労の原因となる老廃物も体内に溜まりやすくなります。

そのため、少ない活動量でも疲労感を感じたり、朝スッキリ起きられなかったりといった不調につながるでしょう。

十分な睡眠時間を確保しても疲れが抜けないと感じる場合は、意識的に水分を摂ることをおすすめします。

目次

水分不足の症状かも?セルフチェックリスト

水分不足かもと感じたら、自身の体の状態から簡単にセルフチェックができます。

ここでは、病院に行かなくても確認できるチェックポイントと、結果からわかる危険度の目安を紹介します。

体の状態から確認する5つのポイント

自身の体が発しているサインに気づくため、次の5つのポイントを確認してみましょう。

  1. 尿の色:色が濃い黄色や茶色に近い場合は、水分が足りていないサイン
  2. 皮膚の弾力:手の甲の皮膚を軽くつまみ、離したあとに皮膚が元の状態に戻るのが遅い場合、体の水分が不足している
  3. 口の中の状態:唾液の量が減少して、口の中がネバネバしたり、舌が白っぽく乾いていたりしないか
  4. 爪の色:指の爪を数秒間軽く押し、白っぽくなった色がすぐにピンク色に戻るか
  5. 体重の変化:短期間で体重が2%以上減少している場合、体内の水分が失われている

ポイントを参考に、自身の体の状態を客観的に把握しましょう。

当てはまった数でわかる危険度の目安

セルフチェックの結果、当てはまった項目の数で、自身の水分不足の危険度を把握できます。

  • 1〜2個:かくれ脱水の可能性。意識して水分を補給する
  • 3〜4個:水分不足の状態。こまめな水分補給が必要
  • 5個以上:脱水症状が進行している可能性が高い。すぐに対処が必要

チェックはあくまで簡易的な目安であり、医療的な診断ではありません。

結果にかかわらず、体調に不安を感じる場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

水分不足の症状を放置する健康リスク

ただの水分不足と軽視して放置すると、日常生活にさまざまな影響が出るのみならず、深刻な病気のリスクを高める可能性があります。

水分不足がもたらす具体的なリスクについて解説します。

集中力や記憶力の低下

水分不足は、病気ではなくても、日々の生活の質を低下させる原因となります。

たとえば、体内の水分が不足すると血液の流れが悪くなり、脳への酸素供給が滞りがちになります。

その結果、集中力や記憶力が低下し、仕事や勉強のパフォーマンスを損なう可能性があるでしょう。

また、美容面でも、肌のハリが失われてシワやくすみの原因になったり、血行不良で体がむくみやすくなったりといったデメリットが懸念されます。

常に疲労感やだるさが抜けず、スッキリしない状態が続くことも、水分不足が原因かもしれません。

自律神経のバランスが乱れる

水分不足が、自律神経のバランスを乱す一因となることがあります。

体内の水分が減ると、体は血圧などを維持するために交感神経を優位に働かせ、常に緊張した状態になります。

緊張状態が続くと、リラックスを促す副交感神経との切り替えがうまくいかなくなり、自律神経のバランスが崩れる要因になるでしょう。

その結果、だるさやめまい、イライラ感など、原因のわかりにくい不調につながることがあります。

心身の健康を保つためにも、適切な水分補給が重要です。

熱中症や脳梗塞のリスク

水分不足を放置すると、命に関わる深刻な病気の引き金になることもあるでしょう。

体内の水分が減少して血液がドロドロの状態になると、血管の中で血の塊である血栓ができやすくなります。

血栓が脳の血管で詰まると脳梗塞、心臓の血管で詰まると心筋梗塞を引き起こすリスクが高まります。

また、汗をかくことによる体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもって重度の熱中症を引き起こす危険性にも配慮が必要です。

そのほか、腎臓への負担が増加し、長期的にみると腎機能の低下につながる可能性も指摘されています。

水分不足の正しい解消法と予防策

水分不足の症状やリスクを理解できたら、正しい対策を身につけましょう。

効果的な水分補給にはいくつかのポイントがあります。

ここでは、日常で実践できる正しい水分補給の方法を紹介します。

  • 効果的な水分補給の基本
  • 水分補給におすすめの飲み物
  • 水分補給で注意すべき飲み物
  • 食事から水分を摂る工夫

正しい水分補給の方法を取り入れて、水分不足を予防する参考にしてください。

効果的な水分補給の基本

水分不足を効率よく解消し、予防するためには、正しい飲み方の基本を知ることが大切です。

ポイントは、一気に飲まず、こまめに飲むことが重要です。

適量ずつの水分補給で、体に負担をかけずに効率よく水分を吸収させることにつながります。

1日に必要な水分量は個人差がありますが、食事以外から1.2~1.5L程度を目標に摂取することが推奨されます。

また、のどが渇いたと感じる前に、時間を決めて意識的に飲む習慣をつけることが、水分不足を防ぐ効果的な水分補給といえるでしょう。

水分補給におすすめの飲み物

水分補給は、シーンにあわせて適切な飲み物を選ぶとよいでしょう。

日常的な水分補給には、カロリーや糖分、カフェインを含まない水や麦茶がおすすめです。

多くの方が、体の状態を問わず、いつでも安心して飲めるでしょう。

一方、運動や肉体労働で汗をかいたあとは、ミネラルも失われているため、水分と電解質を効率よく補給できる経口補水液やスポーツドリンクが役立ちます。

水分補給で注意すべき飲み物

飲み物のなかには、水分補給のつもりで飲むと、体内の水分を排出させるものがあるため注意が必要です。

コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどに多く含まれるカフェインには、利尿作用があります。

尿の量を増やして体の水分を外に出すため、水分補給には適していません。

アルコールも同様に強い利尿作用があるため、飲んだ量以上の水分補給が必要です。

また、糖分の多いジュースや清涼飲料水は、血糖値の急上昇やカロリーの過剰摂取につながる可能性があります。

日常的な水分補給として飲むのは、避けることが賢明です。

食事からの水分摂取も意識

水分補給は飲み物のみならず、毎日の食事からも効率よく摂取できます。

きゅうり、トマト、レタスといった野菜や、スイカ、メロンなどの果物には水分が豊富に含まれています。

サラダやデザートとして食事に取り入れることがおすすめです。

また、朝食や夕食に、味噌汁やスープといった汁物を一品加えるのも、手軽に水分と塩分を補給できるため効果的です。

1日に必要な水分のうち約1.0Lは食事から摂取できるといわれており、バランスのよい食事が脱水予防にもつながります。

【状況別】とくに水分不足に注意したいケースと対策

水分不足は誰にでも起こり得ますが、とくに注意が必要な方や状況があります。

ここでは、とくに気をつけるべき3つのケースと、それぞれの対策について解説します。

  • 子どもや高齢者の場合
  • 運動や入浴の前後
  • 風邪や下痢のとき

自身や家族が当てはまる場合は、参考にしてください。

子どもや高齢者の場合

子どもや高齢者の方は、とくに水分不足に陥りやすいため、周囲の注意が必要です。

子どもは体に占める水分の割合が高く、汗をかきやすいため、大人よりも水分の影響を受けやすくなります。

また、高齢になると、のどの渇きを感じる機能が鈍くなる傾向があります。

そのため、本人がのどが渇いたと感じる前に、周りの方が時間を決めて水分補給を促すことが重要です。

飲み込む力が弱い場合は、ゼリー状の水分補給補助食品を活用するとよいでしょう。

飲み忘れを防ぐために、手の届く場所や目につく場所に飲み物を常に置いておくといった工夫も有効です。

運動や入浴の前後

運動や長時間の入浴などで大量の汗をかく際は、意識的な水分補給が不可欠です。

汗により、水分と塩分(ナトリウム)が失われるため、計画的に補給する必要があります。

効果的なタイミングは、活動の30分前、活動中、活動後の3段階です。

事前に水分補給すると、パフォーマンスの維持に役立ち、活動後も失われた分を補うことで体の回復を助けます。

汗を多くかく場合は、水のみではなく、塩分も補給できるスポーツドリンクや経口補水液などを活用するとよいでしょう。

風邪や下痢のとき

発熱や下痢、嘔吐といった体調不良の際は、体から水分と電解質が急速に失われます。

そのため、普段よりも脱水症状のリスクが非常に高くなるため注意が必要です。

風邪や下痢のときは、水やお茶を飲むよりも、失われた水分と電解質を効率よく補給できる経口補水液の活用がおすすめです。

経口補水液は、薬局やドラッグストアで購入できます。

食欲がない場合でも、脱水を防ぐために水分補給を少量ずつ継続しておこなうことが、体調の回復を早めるといえるでしょう。

水分不足の症状が改善しないときは医療機関へ

セルフケアで水分補給を心がけても症状が改善しない場合や、危険なサインが見られる場合は、必ず医療機関を受診してください。

ここでは、病院に行くべき目安と、受診すべき科について解説します。

医師への相談・受診を検討すべきサイン

自身や家族に次のサインが見られる場合は、速やかに専門家の診断を仰ぐことを検討してください。

  • 意識して水分を摂取しても症状が改善しない、または悪化する
  • 意識が朦朧としている、ぐったりして起き上がれない
  • 嘔吐が続き、自力で水分を摂れない

明らかな体調不良がみられる場合は、セルフケアで対応できる範囲を超えている可能性があります。

早めに医師の診察を受けましょう。

何科を受診すればよいか

水分不足による症状で受診すべき科は、大人の場合は、内科に相談することが一般的です。

子どもの場合は小児科を受診しましょう。

緊急性が高いと感じたり、夜間、休日に判断に迷ったりする場合は、救急外来を受診するか、救急安心センター事業(#7119)に電話することも有効な手段です。

専門家から適切なアドバイスが受けられます。

水分不足の症状に関するよくある質問

最後に、水分不足や水分補給に関して、多くの方が抱く疑問に回答します。

  • 水を飲むとむくむ原因は?
  • 1日に必要な水分量の計算方法は?
  • 寝る前に水を飲んでもよい?
  • 皮膚の乾燥は水分不足のサイン?
  • 脱水症状になりやすい人の特徴は?

自身の体に適した水分摂取をする参考にしてください。

水を飲むとむくむ原因は?

水を飲むとむくむといわれることがありますが、誤解であるケースが大半です。

むしろ、水分不足がむくみの原因になることがあります。

体が水分不足の状態を感知すると、水分を失わないように、体内に水分を溜め込む働きが起こり、むくみが起こります。

そのため、適度に水分を補給することは、体内の巡りをよくして老廃物の排出を助け、むくみの解消に役立つでしょう。

1日に必要な水分量の計算方法は?

1日に必要な水分量は、「体重(kg)×30~40ml」といった計算式を目安にすることがあります。

たとえば、体重60kgの方であれば、60kg×30~40ml=1,800~2,400ml(1.8~2.4L)の水分が必要になります。

計算結果から食事で摂る水分(約1L)と体内で作られる代謝水(約0.3L)を引いた量が、1日に飲み水として摂取すべき量の目安量と考えるとよいでしょう。

ただし、日本人を対象にした必要水分量の信頼できる研究データは少なく、あくまで目安の数値と捉えてください。

運動量が多い日や夏場など、汗をかく量により必要な水分量は異なるため、適宜調整することが大切です。

寝る前に水を飲んでもよい?

寝ている間にも、汗や呼吸により、気付かないうちに水分を失うため、就寝前にコップ1杯程度の水を飲むことで、夜間の脱水予防になるでしょう。

寝る前に水分を補給すると、睡眠中にも血液がスムーズに流れ、朝の目覚めをスッキリする効果も期待できます。

ただし、夜中にトイレで起きることを避けるため、飲み過ぎには注意が必要です。

また、利尿作用のあるお茶やアルコールは控えましょう。

皮膚の乾燥は水分不足のサイン?

皮膚の乾燥やカサつきは、水分不足が原因で起こる代表的なサインの一つです。

体内の水分が不足すると、肌の最も外側にある角質層まで潤いが行きわたらなくなります。

水分不足は、肌のバリア機能を低下させ、外部からの刺激に敏感になったり、ハリが失われて小じわが目立ちやすくなったりします。

スキンケアを念入りにしても肌の乾燥が改善しない場合は、体の内側からの水分補給が足りていない可能性も考えられるでしょう。

脱水症状になりやすい人の特徴は?

脱水症状に陥りやすい方は、次の特徴があります。

  • 子どもや高齢者:子どもは代謝が活発で、高齢者は体内の水分量が少なくなるため、どちらも脱水のリスクが高い
  • 汗をかきやすい方:運動習慣のある方や体質的に汗かきの方は、自覚以上に水分を失っている可能性がある
  • 特定の疾患がある方:糖尿病などの持病がある方は、尿の量が増えるため注意が必要
  • お酒をよく飲む習慣のある方:アルコールには強い利尿作用があり、水分不足を招きやすい

脱水症状になりやすい特徴に当てはまる場合は、ほかの方よりも意識的に水分を補給することが大切です。

まとめ

本記事では、水分不足により現れる症状を段階別に解説し、自身でできるセルフチェックの方法や、正しい予防、解消法を紹介しました。

のどの渇きや尿の色の変化といった初期サインから、頭痛やめまい、さらには意識障害といった重度の症状まで、水分不足はさまざまな形で体に影響を及ぼします。

水分不足のサインを見逃さず、早い段階で対処することが大切です。

自身の生活習慣を振り返り、日頃からこまめな水分補給を心がけることからはじめてみましょう。

症状が改善しない場合や、不安が続く場合は、ためらわずに医療機関へ相談することをおすすめします。