ワインは体に悪い？含まれる酸化防止剤と亜硫酸について理解しよう

ワインは、その豊かな味わいと健康効果から、世界中で愛されています。しかし、ワインは体に悪いと見聞きしたことのある方もいるでしょう。

ワインには亜硫酸などの酸化防止剤が含まれ、一部の方には不快な反応を引き起こすことがあります。

本記事では、ワインに含まれるこれらの成分や、体に与える影響について深掘りします。

また、ワインに含まれる健康効果をもたらす成分や、体への影響を最小限に抑えながらワインを楽しむ方法についても探ります。

ワインをより理解し、健康的に楽しむための知識を得たい方は、ぜひ参考にしてください。

ワインは体に悪い？といわれる3つの要因

ワインは、おいしさと一緒に健康への恩恵をもたらす可能性がある一方で、体に悪いとされる理由も存在します。

その理由は主に次の3つの要素が関係します。

1つ目はアルコールによる肝臓への負担、2つ目は肥満につながる可能性、そして3つ目は酸化防止剤の影響です。それぞれの要素を詳しく解説します。

肝臓への負担

ワインの適量摂取が健康によいといわれる一方で、過度な摂取は肝臓に負担をかけます。

アルコールは肝臓で分解されるため、大量に摂取すると肝臓にダメージを与えることがあります。

とくに、多量のアルコールを習慣的に摂取すると、肝硬変やアルコール性肝炎などの重篤な肝臓疾患を引き起こす可能性があります。

肥満につながる

ワイン自体に含まれるカロリーは、ワイングラスの一般的な1杯を100mlとして赤ワインなら1杯あたり68kcal、白ワインなら75kcalです。

ワイン自体のカロリーは一見多くはないものの、飲酒量や一緒に食べるおつまみなどのカロリーが高くなる傾向にあります。

とくに赤ワインは肉料理との相性がよい組み合わせとして知られています。

そのため、とくにおつまみのカロリーを考慮する必要があります。
ワインと一緒にチーズやナッツなどの高カロリーな食べ物を摂取すると、そのカロリーはすぐに積み重なり、体重増加につながる可能性があります。

ワインを楽しみつつ健康的な体重を維持するためには、ワインと一緒に摂取する食べ物にも注意を払うことが重要です。

酸化防止剤の影響

ワインに含まれる酸化防止剤も影響を及ぼす可能性があります。ワインの製造過程で、酸化を防ぐために亜硫酸塩がしばしば使用されるからです。

ワインのみでなく、漂白剤としてほかの食品に使用される場合もありますが、食品衛生法によって使用量が定められています。

しかし、亜硫酸塩で食物アレルギーに似た食物不耐症といった過敏症を引き起こすこともあります。

ワインの成分は？

ワインの成分は、赤ワインと白ワインとで多少異なります。

ワインの主な成分はぶどうです。それが酵母によって発酵し、アルコールと一緒に多様な風味や香りを生み出します。

次の項目で、赤ワインと白ワインの主要成分について詳しく説明します。

赤ワイン

赤ワインには、色の濃いぶどうが多く使われます。

製造過程では、ぶどうの皮、種、果肉、果汁を発酵させて漬け込まれるため、色素やタンニンが多く抽出されます。
これが、赤ワインの特徴である深い色と濃厚な味わいの理由です。

そのほか、皮のアントシアニンや種のタンニンなどのポリフェノールが豊富です。ポリフェノールは抗酸化作用があり、体内で増えると有害な活性酸素を取り除く作用があります。

白ワイン

白ワインには白色のぶどうが多く使われます。白ワインの製造過程では、発酵前に圧搾が行われ、ぶどうの果皮、種などを除去した果汁のみが発酵に使用されます。

そのため、白ワインは透明度が高く、より繊細な風味を持つ傾向にあります。

また、酒石酸やリンゴ酸などの有機酸が多く含まれます。これらは腸内環境を整える作用があります。

ワインの酸化防止剤と亜硫酸について

ワインの製造過程では、さまざまな成分が使用されます。その中でもとくに注目される成分が、酸化防止剤である亜硫酸です。

これはワインの品質を保つために不可欠な要素であり、同時に健康に影響を及ぼす可能性もあります。それでは、酸化防止剤と亜硫酸について詳しく解説します。

酸化防止剤とは？

酸化防止剤は、その名の通り食品が酸化するのを防ぐための添加物です。

酸化が進行すると食品の色や風味、さらには栄養価が変わることもあります。それを防ぐために酸化防止剤が使用されます。

使用される酸化防止剤は食品により異なりますが、亜硫酸塩（亜硫酸や亜硫酸カリウム）、ビタミンC（アスコルビン酸）、ビタミンE（トコフェロール）などが一般的です。

これらの成分は、食品が新鮮な状態を保つために必要であり、同時に食品の風味や品質を維持するうえで重要な役割を果たしています。

亜硫酸とは？

亜硫酸は、主にワインに使用される酸化防止剤の1つです。

製造過程でワインが酸化したり、有害な細菌によって汚染されたりするのを防ぐ役割を果たします。

亜硫酸は、ワインの新鮮さと安定性を維持するために重要な役割を果たしています。しかし、一部の方にとって、亜硫酸は食物アレルギーに似た食物不耐症といった過敏症を引き起こす可能性があります。

酸化防止剤（亜硫酸）のメリット

亜硫酸には一部の方にとって食物不耐症や健康への影響があることが報告されています。

しかし、亜硫酸は食品添加物として国に承認されており、製造者は規定量を守っています。

また、ワインの品質維持には重要な役割を果たすものです。

次の項目では亜硫酸の主な機能である酸化防止効果、抗菌効果、消毒効果、そしてpH調整剤としての役割について詳しく解説します。

酸化防止

亜硫酸の1つの重要な機能は、酸化防止効果です。ワインに含まれる有機物が酸化すると、風味が損なわれたり、色が変わったりします。

亜硫酸は酸化反応を防止し、ワインの風味と色を長期間保つ役割を果たします。亜硫酸はワインの製造過程において、果汁中に含まれる酸化酵素とポリフェノールの化学反応による褐変の原因物質が発生するのを防ぎます。

抗菌効果

次に、亜硫酸には抗菌効果があります。これにより、ワインに含まれる不要な細菌や酵母、カビなどの微生物の増殖を抑制し、ワインが不適切な発酵を起こすのを防ぎます。

結果的に、製品の安定性が向上し、長期保存が可能となるのです。

酸化防止剤（亜硫酸 ）が体に与える影響

ワインを愉しみながらも体に悪いのではないかと気になる方も多いのではないでしょうか。その懸念の1つが、ワインに含まれる酸化防止剤である亜硫酸の影響です。

亜硫酸は、ワインの品質維持には欠かせない存在ですが、一部の方には体調を崩す原因となる可能性があります。

次の項目では、亜硫酸が体に与える可能性のある影響について解説します。

食物アレルギーに似た症状

亜硫酸は、一部の方には食物アレルギーとよく似た食物不耐症を引き起こすことがあります。具体的にはじんましん、湿疹といった皮膚・粘膜反応、重篤なショック状態になる場合もあります。

したがって、これらの疾患を抱える方はワイン摂取時にとくに注意が必要です。

頭痛やめまい

また、ワインを摂取した後に頭痛やめまいを生じる場合があります。原因となる説はいくつかあり、先述の亜硫酸塩由来であることや、ワインに含まれるヒスタミンやチラミン、アミンといった化学物質の影響であるといわれています。

またアルコールの影響も考えられます。アルコールは体内でアセトアルデヒドに分解されますが、これが血管を拡張し頭痛を起こします。ワインのみならず、体調不良にならないようお酒はほどほどにしておきましょう。

ワインが体に合わないと感じる場合

ワインはその豊かな風味と健康に対するさまざまな利点から、多くの方に愛されています。しかし、一部の方はワインを飲むことで体調不良を感じることがあります。

これは、ワインの中に含まれる亜硫酸や、ほかの成分に対する個々の反応の違いから生じます。もしワインを飲んで体調が悪くなることがあれば、何かしらの対策が必要かもしれません。

ここでは、ワインが体に合わないと感じる場合の具体的な対策について解説します。

飲用を控える

最も単純な対策は、ワインを飲まないことです。とくにアレルギーや特定の健康問題を抱えている場合、ワインを飲んでもよいか主治医に相談しましょう。

適量を飲む

飲酒の適量は性別や年齢をはじめ、個々の体調や体質によっても異なりますが「節度ある適度な飲酒」として、厚生労働省が推奨している飲酒量は「1日平均純アルコールで約20g」です※1。

ワインなら200mlが該当するため※1、飲酒量がこれよりも多い場合は見直してみましょう。

酸化防止剤不使用のワインを選ぶ

ワインの一部の不快な反応は、ワインに含まれる亜硫酸やほかの添加物によるものかもしれません。

その場合、亜硫酸などの添加物を使用していないワインを選ぶことで、症状が改善する可能性があります。

オーガニックワインを選ぶ

ワインが体に合わないと感じる場合、オーガニックワインを試してみるのも1つの選択肢です。

オーガニックワインは有機的に栽培されたブドウを使用し、化学肥料や合成農薬の使用を控え、また添加物の使用も最小限に抑えられています。

これにより、体に優しく、また異なる風味を楽しめるでしょう。

ワインに含まれるポリフェノールの健康効果

ワインが体に悪いと感じることがあるかもしれませんが、一方でワインには私たちの健康に有益な成分も含まれています。

その中でもとくに注目すべきはポリフェノールです。ポリフェノールは植物由来の化合物で、抗酸化作用や抗炎症作用など多くの健康効果を有しています。

ここからは、ワインに含まれる主なポリフェノールの一部と、その健康効果について詳しく解説します。

レスベラトロール

レスベラトロールは、赤ワインやブドウの皮に多く含まれるポリフェノールです。強い抗酸化作用があることから、美容目的のサプリメントや化粧品に使用されています。

アントシアニン

アントシアニンは赤ワインやブルーベリーなどに含まれている成分です。

アントシアニンもまた抗酸化作用を持っており、動脈硬化や心臓疾患のリスクを低下させるメリットがあるといわれています。

健康効果が期待されるのみでなく、赤ワインの色付けを担う重要な成分でもあります。

タンニン

タンニンもまた、抗酸化作用を持つポリフェノールの1つです。活性酸素によって引き起こされる老化を防ぐなどの効果があります。

ただし、過剰なタンニンの摂取は消化器系に負担をかけることがあるため、適度な摂取が重要です。主にブドウの皮や種子に含まれており、ワインの色や渋みを与える役割を担っています。

ワインに含まれるミネラル成分の健康効果

ワインには、体にとって有益なミネラル成分が含まれています。

ミネラルは、私たちの体が正常に機能するために必要な栄養素で、骨や歯の健康維持、神経伝達、血圧調整など、体内でさまざまな役割を果たしています。

ここからは、ワインに含まれる主なミネラル成分のカルシウム、マグネシウム、カリウムについて、その健康効果を詳しく解説します。

カルシウム

カルシウムは、私たちの体内に最も多く含まれるミネラルで、主に骨や歯に存在しています。

カルシウムは骨の強化に寄与するのみならず、神経伝達、筋肉の収縮、血液の凝固など、身体の多くの機能に重要な役割を果たしています。

マグネシウム

マグネシウムもまた、身体の健康維持に不可欠なミネラルの1つです。マグネシウムは、エネルギー代謝や骨の健康維持、心拍数の調整など、体内で多くの機能をサポートしています。

カリウム

カリウムは、体内の浸透圧を調整し、心臓や筋肉の正常な機能を維持するために必要なミネラルです。ナトリウムを身体の外に排出しやすくする作用があります。

ワインと一緒におすすめのミネラルウォーター

ワインを楽しむ際、ミネラルウォーターの摂取も忘れずにおこなうことで、ワインによる脱水の防止と、必要なミネラルの補給が可能となります。

お酒を飲むと脱水状態になりやすくなります。これはアルコールによる利尿作用と、アルコールを分解してアセトアルデヒドにする際に水を必要とするためです。ワインを飲む際は脱水を防ぐためにミネラルウォーターを活用しましょう。

ここからは、ミネラル成分に焦点を当て、ワインと一緒に飲むためのおすすめのミネラルウォーターを紹介します。

ミウ 

ミウは、ミネラル成分をバランスよく含んだミネラルウォーターです。カルシウム0.6㎎、マグネシウム1.9㎎、カリウム0.7mgが含まれています。

とくにマグネシウムは神経伝達や心拍数の調整に必要なミネラルで、適度な補給が求められます。

さまざまなミネラルを含むことから、ワインと一緒に摂取することでバランスのよいミネラル補給が期待できます。

日田天領水

日田天領水は、ナトリウム2.2mg、カルシウム0.9mg、カリウム0.9mg、マグネシウム0.2mgと、多くのミネラルを含んでいます。

ナトリウム、カルシウムなどがバランスよく含まれており、体内のミネラルバランスを整える助けとなります。

のむシリカ

のむシリカは、その名の通りシリカをはじめとした多くのミネラルを豊富に含んでいるナチュラルミネラルウォーターです。

とくに注目すべきはカルシウム31mgとマグネシウム14mgの含有量で、これらは毎日の健康維持に重要なミネラルです。

また、中硬水のため、飲みやすさも特徴です。ミネラル補給の観点から見て、ワインとの組み合わせにおすすめの一品といえます。

まとめ

ワインが体によいとは一概に言えません。その理由は、ワインに含まれる酸化防止剤や亜硫酸などの成分が体に影響を及ぼすためです。

一部の方には食物不耐症や頭痛、めまいを引き起こす可能性がありますが、これらは個々の体質や摂取量によります。

体に合わないと感じた場合、飲用を控える、適量を飲む（1日平均純アルコールで約20g程度※1）、酸化防止剤不使用のワインやオーガニックワインを選ぶなど、自身に合った対策をとることが大切です。

一方、ワインにはポリフェノールやミネラル成分など、健康によいとされる成分も含まれています。

とくに、レスベラトロール、アントシアニン、タンニンといったポリフェノールは抗酸化作用があるため、美容や健康面のメリットがあります。

ワインを飲む際には、これらの成分を理解し、また、ナチュラルミネラルウォーターなどで水分補給を心がけることで、健康的にワインを楽しめるでしょう。ワインは適度に楽しむことで、その魅力を最大限に引き出せるのです。

〈参考文献〉
※1　厚生労働省｜健康日本21(アルコール)

※商品の情報は公式サイトを参考にしています。