東京の水道水は飲める？東京都の独自基準についても解説します

東京の水道水はそのまま飲んでも大丈夫か、疑問に思う方も多いでしょう。

水道水をそのまま飲むことに抵抗があるため、ペットボトルのミネラルウォーターやウォーターサーバーを利用する方は多いかもしれません。

しかし、日本の水道水には厳しい水質基準が設定されています。水道事業者は水質基準を守ることが義務づけられているため、東京の水道水も安全においしく飲めるので安心してください。

本記事では、東京の水道水がおいしくなった歴史や、東京都独自の水質基準について解説します。

最近東京に引っ越しをした方や、毎日飲む水をおいしいものに変えたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

東京の水道水の歴史

東京の水道水がおいしくないイメージを持たれるようになった理由には、歴史的な背景があります。

ここでは、東京の水道の歴史や、水質処理方法について紹介します。

水質処理と人口急増

都市に人口が増えることの弊害のひとつとして、河川が生活排水や工業排水で汚染されることが挙げられます。

東京の人口は高度経済成長が始まった頃からさらに増加し、水道の水源である多摩川や利根川、荒川には生活排水や工業排水が流れ込みました。

当時は水質処理の技術力が現在よりも低く、汚れた水源の水をおいしいといえるレベルまで浄化できませんでした。

東京都の人口増加に水質処理技術が追いつかなかったため、東京の水道水はおいしくないと感じられ、その時のイメージが定着したものと考えられます。

水質処理方法のリニューアル

1990年代に入り、東京都は浄水場に高度浄水処理を導入しました。

高度浄水処理とは、通常の浄水処理にオゾン処理と生物活性炭吸着処理を加えたものです。

オゾン処理では、かび臭の原因物質やトリハロメタンの元となる物質などを、オゾンの強力な酸化力で分解します。

トリハロメタンとは、水中に有機物がある場合に、消毒のための塩素と反応して生成される化合物です。

トリハロメタンには発がん性が疑われますが、東京の水道水に含まれるトリハロメタンの量は、人間が生涯にわたり摂取しても健康に影響が生じない水質基準値以下です。

高度浄水処理では、オゾン処理により分解された物質を活性炭の吸着作用と活性炭に繁殖した微生物の分解作用を併用して除去する、生物活性炭吸着処理が行われます。

オゾン処理と生物活性炭吸着処理が加わった高度浄水処理により、水道水のにおいを除去できるようになり、東京の水道水はおいしくなりました。

東京の水道水は飲める！

東京の水道水はペットボトルに入れて販売されていたこともあるほど、安全でおいしい水です。

東京都では無料で水道水が飲めるウォータースタンドを設置したり、東京水道の名所を選定したりするなど、PRに力を入れています。

無料で東京の水道水が飲める「Tokyowater Drinking Station」

Tokyowater Drinking Stationは都内の駅や区役所、図書館などに設置されている水飲栓（ウォータースタンド）です。

ボトルに水道水を詰められるボトルディスペンサー型と、水飲み場のような飲み口型の2つのタイプがあります。

Tokyowater Drinking Stationは都内に約900か所あり※1、街中での水分補給に活用されています。

無料で手持ちのペットボトルに詰められるため、環境に配慮したサービスといえるでしょう。

東京水道の名所7選

東京水道の名所とは、東京都水道局が世界に誇る水道インフラ施設を発信していくために選定した施設です。

自然との調和や技術の継承、地域のシンボルなどのテーマで、次の7つのスポットが選ばれています。

1. 水道水源林
2. 小河内貯水池（奥多摩湖）
3. 村山・山口貯水池（多摩湖・狭山湖）
4. 羽村取水堰
5. 玉川上水
6. 金町浄水場の取水塔
7. 駒沢給水所の配水塔

優れた景観や技術、歴史などを体感し、東京の水道について考える機会となるスポットです。

東京の水道水の基準

日本は水道水をそのまま飲用できる、世界でも数少ない国です。

東京都は国よりも厳しい基準を設け、より安全でおいしい水を供給できるように取り組んでいます。

全国の水道水の飲用基準

日本全国の水道水は、水道法や関連省令により基準が厳しく定められています。水道水の水質基準には51項目が設定されています。※2

51項目の中の一例は、次のとおりです。※2

項目	基準
大腸菌	検出されないこと
水銀及びその化合物	水銀の量に関して、0.0005mg/L以下
総トリハロメタン	0.1mg/L以下

水道事業者には、水質基準51項目の遵守義務と検査義務が課せられています。※2

そのため、日本の水道水は全国どこでも安心して飲める品質が保たれているのです。

ほかにも、水質管理目標設定項目27項目や要検討項目46項目が設定されており、水道水の品質検査により情報や知見を収集しています。※2

東京都独自の基準「おいしい水を届けるための取り組み」

東京都では安全でおいしい水を供給するため、東京都独自のおいしさに関する水質目標を設定しています。

おいしさに関する水質目標は、においや味などのおいしさに関わる項目について国より厳しい基準を設定し、より高いレベルを目指すものです。

残留塩素、かび臭原因物質、有機物の値を国より低く抑える目標が設定されており、カルキ臭、かび臭、不快な味を感じないことが目標値の目安として定められています。

独自の基準を設けているため、東京都の水道水は安心しておいしく飲めるのです。

東京の水道水をよりおいしく飲む工夫

東京の水道水は高度浄水処理が行われており、おいしく飲めるよう十分配慮されていますが、季節によりカルキ臭や生臭さを感じる方がいるかもしれません。

水道水は、次のような工夫を加えることでおいしく飲めます。

• 沸騰させる
• 冷やす
• お茶やレモンなどを加える
• 浄水器やウォーターサーバーを使用する

一つずつ詳しく紹介します。

沸騰させる

水道水を10分程度煮沸させると、水中の塩素やトリハロメタンが除去できます。

沸騰直後の水道水には塩素が残ることがあるため、沸騰後5～10分程度は加熱し続けてください。※3

ただし、煮沸した水道水は日持ちしない点に注意が必要です。塩素による消毒効果がなくなるため、細菌の繁殖リスクが高まります。

煮沸した水道水は作り置きせず、冷蔵庫で保存し当日中に飲みきりましょう。

冷やす

水道水を冷蔵庫で冷やしたり、氷を入れたりして温度を下げると、蛇口から汲んだ水よりおいしく感じられることがあるかもしれません。

人間がおいしいと感じる水の温度は、10～15℃といわれています。※4

一方、蛇口から出る水の温度は季節により変わります。東京都の場合、令和2年度の平均値は16.8℃です。※5

とくに夏場は水温が高くなりやすく、8月の水道水の水温は最高で28.3℃になることもあります。※5

水道水をおいしく飲むためには、蛇口から汲んだ水を冷やすとよいでしょう。

お茶やレモンなどを加える

水道水に茶葉を入れて緑茶や麦茶にしたり、レモン汁を加えたりすると、爽やかな風味がプラスされておいしく飲めます。

緑茶に含まれるカテキンや、レモン汁に含まれるビタミンCには、水道水の残留塩素を分解する作用があります。

水道水に緑茶のティーバッグを入れて冷蔵庫で冷やすだけで、簡単に水出し緑茶ができるのでおすすめです。

水道水のカルキ臭を感じることなく、おいしく飲めるでしょう。

また、コップ1杯の水にレモン汁を1～2滴加えると、残留塩素を除去でき、さらにレモンの爽やかな風味を付けられます。

レモン果汁として市販されているものでも十分効果があるため、手軽に取り入れられる方法です。

浄水器やウォーターサーバーを使用する

浄水器は蛇口への取り付けや、水道管との接続により、水道水をフィルターに通して不純物を除去する機器です。

各メーカーでフィルターの性能は異なりますが、残留塩素やトリハロメタンなど、さまざまな不純物を除去できます。

浄水器には蛇口直結型やシンク下への設置型、容器の中にフィルターがあるポット型など、選択肢が豊富です。

一方、ウォーターサーバーは、レバーを押すといつでも冷水や温水を飲めます。

ウォーターサーバーは、次の3つのタイプに分かれます。

• 水道管につなげて水道水を濾過するタイプ
• サーバーのタンクに水道水を補充して使うタイプ
• ミネラルウォーターのタンクを購入するタイプ

水道水を使うタイプは、わざわざ水を買う必要がなく手軽においしい水を楽しめます。

東京都の水道水に含まれる栄養成分

市販されているミネラルウォーターの栄養成分表示を見たことがある方は多いかもしれません。

東京都も、水道水のミネラルや硬度を公表しています。たとえば、東京都中央区の平均値は次のとおりです。※6

項目	詳細
硬度（カルシウム硬度+マグネシウム硬度）	61.5mg/L
カルシウム硬度	45.4mg/L
マグネシウム硬度	16.1mg/L

硬度は、主なミネラル分であるカルシウムとマグネシウムの含有量を足した値です。

硬度61.5mg/Lの東京都の水道水は※6、日本各地の水道水と同じく軟水に分類されます。

また、東京都水道局の公式サイトでは、今日の水質として都内131か所の給水栓や各地の浄水場の水質検査結果が発表されています。※7

残留塩素濃度が確認できるため、水道水のカルキ臭が気になったときは参考にしてみてください。

ミネラル補給におすすめの中硬水「のむシリカ」

市販されている水の中には、水道水よりもミネラルが豊富に含まれるものが多くあります。

その中でも、ミネラル補給を重視する方には「のむシリカ」がおすすめです。

手軽にミネラル補給

シリカやカルシウム、マグネシウムをはじめとした多くのミネラルが豊富に含まれるのむシリカは、日々の水分補給と同時に手軽なミネラル補給を可能にします。

のむシリカに含まれる主なミネラルは、次のとおりです。

• シリカ
• カルシウム
• マグネシウム
• カリウム
• バナジウム
• 炭酸水素イオン
• サルフェート

のむシリカには、体内で生成できないシリカが豊富に含まれているだけでなく、必須ミネラルであるカルシウムやマグネシウム、カリウムなども含まれています。

のむシリカはペットボトルから手軽に飲め、冷やしても温めても成分は大きく変わりません。

コーヒーやお茶に使用してもおいしさを引き立てるため、日常のさまざまなシーンで手軽にミネラルを補給できます。

飲みやすい中硬水

のむシリカは硬度130mg/Lの中硬水です。

中硬水とは、硬度が軟水と硬水の中間である水のことで、硬水ほど風味や味が強くなく、軟水より多くのミネラルを補給できます。

一般的に、日本で採水される水の多くは軟水ですが、のむシリカは中硬水であるため、おいしく飲めるでしょう。

体内では生成できないシリカ配合

のむシリカは、数あるミネラルの中でもシリカを豊富に含む点が特徴です。

シリカはケイ素とも呼ばれるミネラルで、人間は1日に10～40mgのシリカを必要としているといわれています。

しかし、シリカは体内で生成できず、成人では1日に約40mgのシリカが消費されるため、意識的な補給が重要です。

のむシリカには、1Lあたり97mgのシリカが含まれています。

のむシリカなら、日々の水分補給と同時にさまざまなミネラルを豊富に補給できます。

まとめ

東京の水道水は厳しい基準をクリアしているため、安心しておいしく飲めます。

かつては人口が集中したことにより水質に影響が現れていましたが、1990年代に高度浄水処理を導入し、より安全でおいしい水が供給できるようになりました。

水道水のカルキ臭が気になる場合は、沸騰させたり冷蔵庫で冷やしたりするとおいしく飲めるでしょう。

東京の水道水は軟水であるため、日本人には飲みやすいものですが、ミネラル含有量はそこまで多くありません。

水分とともにミネラルも補給したい方には、ミネラルが豊富な中硬水の「のむシリカ」がおすすめです。

のむシリカは、シリカをはじめとした多くのミネラルが豊富に含まれたナチュラルミネラルウォーターです。

ミネラルを手軽に摂取するためにも、日々の水分補給にのむシリカを取り入れましょう。

＜参考文献＞

※1　東京都水道局｜くらしと水道｜Tokyowater Drinking Station

※2　厚生労働省｜水道水質基準について

※3　東京都水道局｜よくある質問｜水質＜水道水がいつもと違う＞

※4　山形市上下水道部｜水道水をよりおいしく飲む方法｜家庭で水道水をおいしく飲む方法

※5　東京都水道局｜水源・水質｜水道水の水温

※6　東京都水道局｜水源・水質｜令和4年度水質検査結果｜地点番号No.28　検査地点中央区勝どき

※7　東京都水道局｜水源・水質｜水質検査結果（今日の水質）

※商品の情報は各公式サイトを参考にしております。